• 鉢塚店
  • TEL
  • 営業時間・住所
  • 上野店
  • TEL
  • 営業時間・住所

当社作成資料

パーキンソン病

【パーキンソン病とは!?】

パーキンソン病とは、黒質(広義の大脳基底核)のドーパミン産生細胞が減少することにより、動きが遅く少なくなる(寡動、無動)、筋肉が固くなる(筋固縮)、ふるえ(振戦)、姿勢調節障害などの運動症状に加えて、非運動症状として、便秘や起立性低血圧などの自律神経障害、嗅覚障害、抑うつや幻視などの精神症状を合併する進行性の疾患です。

【原因】

筋肉の動きを滑らかにして姿勢を調整する働きに関与する大脳基底核(黒質)という部位の神経細胞が変性してしまいます。

神経細胞は脳から指令が出ると、化学伝達物質(神経伝達物質)を放出して、隣の神経細胞を刺激することにより、脳からの指令を各器官に伝達します。

例えば、”腕を上げる”など脳から筋肉を動かすための信号が出ると、その信号は大脳基底核を通り運動(筋肉の動き)の調節が行われることで、滑らかに”腕を上げる”動作ができています。

大脳基底核の主要な神経伝達物質は ドーパミンと呼ばれて、筋肉に送られる信号を増幅する作用を持ちます。そのため、大脳基底核の神経細胞が変性すると、 ドーパミンの生産量が減り、筋肉に上手く信号が行かず、動きを滑らかにするという大脳基底核の正常な働きが損なわれてしまいます。その結果、振戦(ふるえ)や筋肉がこわばり、動作が遅くなって協調運動が難しくなり、バランスを崩しやすくなります。

【症状】

症状は、⑴運動障害と⑵非運動障害の2つに分かれます。

(1)運動症状(パーキンソニズム)

①振戦(手足などの震え)

手や足、頭などの体の一部が、安静時に震えることが多いです。

②固縮(こしゅく)

筋肉の緊張が強くなり、手足の動きがぎこちなくなります。

関節が固くなり、他人が動かそうとしても抵抗があります。(歯車様現象)

③寡動(かどう)、無動(むどう)

動作の開始に時間がかかり、動作そのものも遅くなります。

目のまばたきが減り、顔の表情が硬く、乏しくなる(仮面様顔貌)

字が小さくなります。(小字症)

声が小さくなったりもします。

④姿勢反射障害

体を後方に押されると足が出ず、バランスを保持できなくなり、転びやすくなります。

(2)非運動症状

①嗅覚障害

②自律神経症状

 便秘、夜間頻尿、立ちくらみ(起立性低血圧)、発汗異常など

③睡眠障害

④認知症、記憶障害、うつ、幻覚・妄想

[パーキンソン病における認知機能障害の特徴]

・遂行機能障害;人に指示されないと何もできない状態です。

・注意障害;何かに集中しようとしてもすぐに注意が他に向いたり、ミスが多くなったりします。

・思考速度の低下

・視空間認知能力の低下;平面の地図や絵を見て立体的に イメージできなくなります。

・錯視;模様や影を人や虫、動物などに見間違えます。

・幻視;実際にはそこにないものが見えます。

※これらの症状が、すべてが現れるわけではありません。

【日常生活動作ではどんな障害が起きるの!?】

[歩行障害];歩行時は、姿勢は前屈み、歩幅は小さくなり、足を擦って歩く様になります。

進行するとすくみ足や一歩目が出にくくなり、いきなり突進する様に歩き出す(突進歩行)など現れます。

[手の動作障害];字を書いたりボタンや食事動作など、細かい動作が困難となります。

[姿勢反射障害];身体を前方や後方に押された際に姿勢を立て直すことができず、前方や後方に突進したり転倒したり、椅子などに座った姿勢の保持が出来なくなるため、椅子から転倒してしまいます。

【  重症度分類 】

I度 :  障害は身体の片側のみで、日常生活への影響はほとんどありません。

II度 :  障害が身体の両側にみられますが、日常生活に介助は不要です。

III度 :  明らかな歩行障害が現れ、バランスを崩し転倒しやすくなります。

IV度 :  日常生活の動作が自力では困難で、その多くに介助が必要となります。

V度 :  車椅子またはベッド上で寝たきりで、日常生活では全面的な介助が必要となります。

【パーキンソン病の運動療法】

パーキンソン病の運動療法には、筋力増強運動、基本的動作練習、関節可動域運動、姿勢矯正運動、バランス練習、日常生活活動指導などを主に行います。

[症状別のアプローチ]

・固縮(関節可動域制限・筋力低下):関節可動域運動、筋力増強運動

・無動/寡動(すくみ足・活動性の低下):関節可動域運動、筋力増強運動、基本的動作練習、環境調整

・姿勢反射障害:姿勢矯正運動、バランス練習(片足立ち等)、環境調整

また、薬物療法との併用でONの状態(薬の効果が出ている状態)時に行うと、運動症状(特に歩行動作やバランス能力の低下など)に対しての改善効果があると言われています。

【デイサービスみちでは!】

・個別運動プログラム

パーキンソン病の症状や生活状況、障害が出ている動作に応じて、機能訓練指導員が評価を行い、運動処方の基本原則である『安全』『楽しく』『効果的』を基に、利用者様の身体状況 に合わせた個別運動プログラム(オーダーメイド・メニュー)を作成し実施しております。

・コンディショニング

パーキンソン病の症状(主に固縮)により硬くなった関節や筋肉の可動域を広げたり、身体バランスを整えて転倒しにくい状態に調整を行ったり、予防・改善を踏まえたケアを ご利用者様の身体状況に応じて実施します!!

また、定期的な体力測定、評価もおこない、運動効果に関するフィードバックも実施します。ご利用者様一人一人に合わせてサポートさせて頂いています。